ETFのリスク

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ETFのリスクは、上場廃止であるため純資産残高の多いETFがよいと指摘があります。管理人は、証券市場で売買することを考えると、流動性の観点から純資産残高が多いETFは、流動性リスクが低いと考えています。

(1)ETFの特徴

ETFの特徴は、証券市場を通じて売買が容易にできること、特定の指数に連動して価格が上下することです。ETFは株価指数や金の先物取引など、多様な指数を投資対象として見ていますが、当然のことながら対象とする指数は価格が変動します。

金価格が大きく下落しましたが、機関投資家によるETF売却により、ETFが保有する金の現物を売却したことがきっかけになっています。

ETFのリスクは金融商品ですので、元本割れリスクが当然のように存在しますが、運用金額が少なくなり過ぎると株式と同じように上場廃止になるリスクが生じます

(2)投資信託の信託報酬合計

ETFのリスクについて、、窪田真実のETFの買い方・売り方が分かる本を見てみましょう。
一般的に、公募投資信託の場合、年間の信託報酬が2000~3000万円ぐらいないと投信会社(運用会社)は採算が取れないとされています。仮に3000万円とすると、信託報酬が1%のファンドで30億円の純資産が必要になります。
投資信託の信託報酬合計について見ると、投資信託で兆円規模の資金を集めたグローバル・ソブリンは、大成功していることが分かりますね。
  • 年間の信託報酬が2000~3000万円が投信会社(運用会社)の採算ライン
  • 3000万円とすると、信託報酬が1%のファンドで30億円の純資産が必要
投資信託の信託報酬は一定の割合が定められている一方で、投資方針は一定程度が決められています。投資信託は純資産残高が増加すればするほど、投信会社に多額の報酬が入るということが分かると思います。

(3)ETFの信託報酬が安い影響

ETFの場合に置き換えると、日経平均連動型の信託報酬は平均0.25%ですので120億円、海外株価指数型は同0.9%で30億円程度の残高が必要な計算になります。最低それぐらいの残高がないと投信会社にとっては赤字になってしまうのです。
ETFは信託報酬が安いため、より多額の純資産残高が必要であると指摘されていますが、管理人はこの点に疑問です。ETFは指数に連動して投資を行いますので、投資信託よりも投資対象が明確に決められている点が特徴だからです。

ETF投資信託の違い(8)を見ると、人気のあるETFは数千億円から兆円規模になっていることが分かりますね。

(4)繰上償還のリスク

よって投資家の立場から見ると、残高が少なくとも30億円、できれば100~150億円を超えるものが安心です。この目安を大きく下回る期間が続くようだと、運用会社は繰上げ償還する可能性があります。そうなると上場廃止です。
ETFのリスクとして繰上償還による上場廃止のリスクが指摘されていますが、ETFは証券市場に上場していますので、直前まで売買が可能であると思います。

ETFのリスクとして考えた場合、純資産残高の少ないETFは株式と同様、流動性が低いため証券市場で売買が成立しにくい可能性があります。ETFで上場廃止のリスクが示唆されている金融商品は、証券市場の特性を考えると、不利になると言えます。

(5)ETF上場廃止の影響

また、過去には人気がなく売買の薄いETFは証券取引所の上場廃止基準(流動性基準)にふれて繰上償還されていました。
ETFのリスクとして上場廃止の影響がありますが、ETFは信託のため運用会社の経営とは別に、投資家から預かっている金融資産は法的に保護されています。

ETFが上場廃止したとしても、ETFが保有する金融商品を市場で売買すればよいので、日経平均のETFなどの場合は、換金できる可能性が極めて高いですね。

(6)運用に有利なETFと流動性

国内ETFでは2007年にこうした流動性基準が撤廃されたので、流動性低下(売買高の減少)による上場廃止リスクはほとんどありませんが、上述したように残高が小さく売買が極端に少なかったり、ビジネスとして採算が取れなければ、「繰上償還→上場廃止」の可能性はあります。こうした点から考えると、大手投信会社が運用している残高の大きいETFは有利であると言えるでしょう。
運用に有利なETFとして、窪田真実氏は、上場廃止リスクを考えると大手投信会社が運用しているため有利であると指摘しています。
  1. 窪田真実氏 ETFの上場廃止リスクが低いため運用に有利
  2. 管理人 ETFの売買を考えると流動性が高いほうが運用に有利
大手投信会社のETFについて管理人は、上場廃止リスクよりも証券市場での売買の容易さを考えた場合、流動性の観点から純資産残高の多いETFが運用に有利であると考えています。
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